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浮布の池
【うきぬののいけ】


大田(おおだ)市三瓶(さんべ)町池の原にある池。白鳳期の大地震でできたといわれる三瓶山西麓に位置する堰塞湖で,周囲は3km,静間(しずま)川の水源をなす。中の島に邇幣姫(にべひめ)神社を祀る。昔,池の原の長者の娘邇幣姫が大蛇に変身した若者に誘われ,池に投身,その後湖面に姫の衣が白線を描いて輝き,白い布が浮かぶようになったという伝説がある。これは,池中に浮葉植物や沈水植物が発達し,プランクトンが豊富で酸素を放出するために白線を現出するもので,現在も見られる現象である。池周辺には観光施設が整い,三瓶観光の拠点となっている。また「万葉集」巻7の柿本人麻呂の歌には「浮沼(うきぬ)の池」として菱を採る池として詠まれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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