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打歌山
【うったのやま】


益田(ますだ)市中垣内(なかごうち)町と美濃地(みのじ)町の境界の山。「万葉集」巻2の「柿本人麻呂從石見国別妻上来時歌」の反歌に「石見の海打歌の山の木の際よりわが振る袖を妹見つらむか」とみえる。打歌山について,真淵の「万葉考」は「此打歌(たか)は仮字にて次の角か津乃などの字落し事上の反歌もて知るべし」とする誤写説によって高角山と解し,那賀郡都野郷の山説,美濃郡高津の山説がある。「八重葎」に「美濃郡古名打歌村今内田村……新清広貞評,美濃郡大道山古えの高角山ともいう,今内田村より飯野浦まで四里程続く大高山なり」とある。益田市周辺を囲繞する海岸山地の西南部の大道山が打歌山(419m),大道山前面の海岸丘陵の西北部戸田町,東北部高津町に人麻呂生誕死没の伝承があり,柿本人麿神社がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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