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大平山?
【おおひらやま】


島根半島中部,松江市東持田(ひがしもちだ)町の北方にそびえ,北の八束(やつか)郡島根町大字大芦(おわし)および加賀(かか),西南の同郡鹿島(かしま)町講武(こうぶ)の境界の山。古くは小倉山といい,大城(おおじよう)山・蛇(じや)山・城(じよう)山ともいう。標高502.8m。「風土記」島根郡の条に,「小倉山。郡家の正北二十四里一百六十歩なり」とある。大芦川および多久(たく)川の水源である。江戸期にはこの山一帯におびただしいイノシシ・シカなどの野獣が生息していた。藩主松平綱隆はしばしばこの地にイノシシ狩りをした。綱隆は狩場の村名が「円福寺」と寺号を用うるを不可とし,寛文年間に,改めて「講武村」と改名を命じた。円福寺跡は,この山の8合目位の山腹に残っている。旧藩時代から明治にかけて,この山一帯は桐の実の栽培が盛んであったが,大正年代に至り油価の下落とともに衰え,現在は谷口にその名残をみるに過ぎない。山は北山山脈に属し,東に「風土記」に毛志(もし)山と記される澄水(しんず)山(513m),南に御岳(みたけ)山(295m)が連なり,ともに宍道(しんじ)湖北山県立自然公園に含まれ,北山縦走路の拠点でもある。昭和53年に県道松江~島根線のトンネルが完成した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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