大芦浦
【おわしうら】

八束(やつか)郡島根(しまね)町西北端の大字大芦(おわし)の海岸。全長1.3km。大芦湾の右岸森田川河口付近は礫質海岸。左岸は広い砂浜。遠浅で，夏は海水浴場となる。「風土記」に「大埼(おおはしの)浜。広さ一里一百八十歩あり。西南に百姓の家あり」とある。この砂浜は江戸期から明治初期の頃まで塩浜で製塩産地。延宝６年塩浜合計１反９畝３歩。面判銀合計295匁８分とある（大芦浦塩浜帳）。東西両岸の中間に位置する小具(おうぐ)海岸は岩礁多く，弁天島には老松の下に弁財天の小祠を祀る。近年漁港の修築が行われ，湾岸に沿って，県道千酌(ちくみ)～鹿島～松江線が通じ，昔の面影はなくなった。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7178364