100辞書・辞典一括検索

JLogos

18

月山
【がっさん】


能義(のぎ)郡広瀬町大字富田(とだ)にある富田城跡の山。標高183.8m。頂上の幅平均20m・長さ230mで,西から東に向けて三の丸・二の丸・甲(つめ)の丸と続いている。甲の丸の東方に山中幸盛塔があり,最東端には勝日高守神社(式内社)がある。東方に日向(ひゆうが)丸がある。南方塩谷に塩谷川,北方新宮谷に新宮川がともに西流して西方を北流する飯梨(いいなし)川に合流する。北方は入口で富田城の正門の菅谷(すがたに)口,西入口の御子守(おこもり)口,南入口の塩谷口がある。また奥書院平(おくしよいんなり)・御殿平・能楽平・御茶庫台,鼓楼を設けた太鼓壇(椎木平)などもある。古名を勝日山と称したが,勝日神社ならびに富田八幡宮を現在地に移転するに及んで山の名も変わった。月山の語源は,もとの勝日山は月の出る山という意味で,吐月(とげつ)山と呼ばれ,いつしか月山と称するようになったと伝える。広瀬銘菓に「吐月」がある。月山東方からのぼる満月は,広瀬の町から望むと,まさに吐月の景観である。月山頂上には老桜・古カエデなどがあり,北方安来平野から中海(なかのうみ)を遠望する。太鼓壇と千畳平は,公園で桜の名所になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7178451