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城名備山
【きなびやま】


大原郡木次(きすき)町大字里方にある山。標高100m。南麓を国道54号が通り,西麓を斐伊(ひい)川本流が通り,西北麓でそれに三刀屋(みとや)川が合流する。「風土記」は,「郡家の正北一里一百歩なり。天の下造らしし大神大穴持命,八十神を伐たむとして城を造りたまいき。故,城名樋と云う」と記している。同書は,8世紀当時この地点まで斐伊川水運が盛んであったことを記している。大穴持伝説は別として,この地点は南北,東西の両方向での古代出雲の交通の要地であったことは明らかである。戦国の出城ともなったためか現在も山頂に人工の加わった段地を認めることができるという(木次町誌)。「雲陽誌」も,この山のことを「風土記」が記していることを指摘し,「今俗剣崎という」と付言している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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