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京羅木山
【きょうらぎさん】


京蘭木山とも書く。能義(のぎ)郡広瀬町大字石原の荒田(あらた)・半場(はんば)と,八束(やつか)郡東出雲町大字上意東の境にある山。標高473m。「風土記」に「高野山(たかのやま),郡家の正東一十九里なり」とあるのに適合する(風土記参究)。戦国期に大内氏や毛利氏が月山富田(がつさんとだ)城攻撃の陣地とした山で,茶臼などの遺物が掘り出されている。安来(やすぎ)方面からの山容は,連峰に屹立する高山で敬愛されている。東南に近く勝山(石原山)がある。月山の向城となる山である。山頂には東西80m・南北30mぐらいの平地があって,広瀬の市街を見下ろし,中海(なかのうみ)・宍道(しんじ)湖をはじめ,島根半島を隔ててはるかに隠岐島を望み,眺望は雄大である。山名の由来には諸説があるが,一説には「風土記」時代は萩山(はぎやま)といっていたが,尼子時代富田が殷賑を極め,まさに京都をしのぶものがあったので,京萩山をつづめて京羅木山となったのであるといわれているが,「風土記」の星上山に筑陽川の源で「郡家の正東一十里一百歩なる荻山(おぎやま)」とあるのにあたっている。いずれにしても,この山が能義郡を含めて意宇郡中最も目につく高峰で,高野山という名にふさわしい(風土記参究)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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