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清水山
【きよみずやま】


安来(やすぎ)市の東南方,清水町の山。標高176.5m。瑞光山清水(せいすい)寺の古刹があり,清水月山(がつさん)県立自然公園を含む。南方,門生(かどう)に通じる清水峠(きよみずだわ)がある。瑞光山清水寺は,推古天皇の5年尊隆上人によって開山されたと伝え,今に絶えない清水のわき出る霊山で,出雲札所二十一番の霊場。清水(きよみず)という。また市内大字沢(さわ)に標高107mの清水(しみず)山がある。「旧地名調書」には清水弥山(きよみずみせん)の称もある。東方大山(だいせん)の霊峰を仰ぎ,弓ケ浜から中海(なかのうみ)を一望し,北方北山山系を眺め,眼下に十神山を見下ろす。桜やツツジが植栽され,珍しい植生も多い。「雲陽誌」所載の伝説に「往昔,此所深山幽谷にして,人跡稀なり。然るに山中夜々異光を発す。俚民是を恐れ尋ね入る者なし。山城の国衆楽寺の僧尊隆当国安来の郷に行脚し,彼の光を感見して,谷に至り峰を越えて光を求む。時に一老翁忽然として来,洞中を指してここに大悲の像まします,毘首羯磨(びしゆかつま)の作赤栴檀(せんだん)なり,汝に付与すべし。宜しく利生方便あらんと,尊隆諾して老翁に問えば,答えて曰く,吾は楊命という者なり,ここに住すること年尚し,娑婆(しやば)有縁をすくわんためなり,と言い終って去る。観音の像石上に座し,端厳妙相なり。傍より清水湧出せり,ここにおいて草庵を結び,彼の霊水を閼伽(あか)に供す。その後尊隆奏聞して推古天皇より勅を請い,伽藍を造営し,尊像を安置して,山を瑞光といい,寺を清水と号す」とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7178813