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金光寺山
【きんこうじさん】


隠岐(おき)郡海士(あま)町大字海士にある標高200mの山。地質学上からみると,中ノ島の基盤を構成している玄武岩の溶岩台地の中に噴出した石英粗面岩の小丘といえる。金光寺山には,本尊地蔵仏が小野篁の作であるという伝承,海士に流罪となった後鳥羽上皇が時々登臨されたという伝承,山上の湧水が眼病に効果があるという民間信仰がある。「隠州記」に「海士村松尾山金光寺へ御登山なされ,東西北の海を御覧ありて,しつの女が横なしはたを立て置きてまた見るも海また見るも海,此外法皇の遊ばされたる隠岐百首とて在り」とあり,「隠岐島誌」には「当寺の本尊なる地蔵仏は,小野篁の作なりとの伝を有し,丈三尺の座像にして刀法古雅,神韻掬すべく近代のものならず,寺前に小池あり水深く清冷なり,篁,地蔵尊を刻し其残屑を投入したる池なりという,鮒魚あり,今にいたりて木臭を帯ぶと云々」と見える。小野篁の配所は金光寺山麓の海士町大字豊田のうち能田(のだ)という所といわれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7178820