草野山
【くさのやま】
能義(のぎ)郡伯太(はくた)町の南西隅,大字草野の連峰。「風土記」の葛野山,地元では水木原(みずきばら)山という。標高735m・738mの高峰がある。葛野は,「くずぬ」「かどぬ」「かずの」などと読まれる。葛がはびこって生えていたのに基づくか。草野に変わったのは,漢字で葛を草と誤り書いたためと推定される。「風土記抄」に,「葛野山は井尻の内草野村九折坂にて東比太村の堺也」とあり,九折坂はツヅラオで,十年畑辺をツヅラオの里と称えたこともあるから,今の魚切から才ケ原尻・宇丹波佐水尻・草野までの羊腸たる山道を指した古名であろう。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7178843 |