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車山
【くるまやま】


安来(やすぎ)市西部,田頼町と岩舟町にまたがる山。飯梨(いいなし)川の左岸に位置し,標高208m。輦(くるま)山(飯梨村誌)とも書き,暑垣(あつがき)山(風土記)・田頼(たより)山などの別名がある。「風土記」に,「暑垣烽は意宇郡家の正東二十里八十歩なり」とあり,現在も山頂に長径38mと短径32mほどの長円形の平地があり,その中央に径3m・深さ30cmの周囲を石で囲んでいたらしい円坑がある。これは当時の烽(とぶひ)の施設跡であろう。烽は飛火の意で,古代に非常を伝えるために狼煙(のろし)を上げた施設をいう(風土記参究)。輦山の由来は,後醍醐天皇が元弘の乱の折,隠岐への遷幸に際して鳳輦(ほうれん)でこの山へ登ったという伝説による。車山の山頂からは東方に大山(だいせん),南方に能義(のぎ)郡広瀬町の月山(がつさん)城址,北方に中海(なかのうみ),眼下には能義(のぎ)平野を一望できる。また山菜取りなどで,近傍の人々に親しまれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7178930