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猿隠山
【さるがくれやま】


能義(のぎ)郡広瀬町大字東比田南部の山。標高847m。鳥取県日野郡日南町阿毘縁(あびれ)との境界に位置する。西南へ御墓山(749m),玉峰山(820m)へと連なる広瀬町南境の山なみ中の最高峰であり,東比田川・福留(ふくどめ)川の水源である。猿隠山の伝説は語る。天喜元年白河院御誕生の折,柳原大納言吉実は出雲大社へ勅使として参拝の途中,仁多(にた)郡日田に化生が住み,村人が難儀していると聞いたのでお供をしていた北面の武士,藤内民部藤原信貞にその鎮定を命じ,藤内は古猿の導きによって化生を退治,村人の願いによりこの地の長田に居住したと伝え,それまで両日山といっていたのを以後,猿隠山と改めたという。信貞が清水で身を清めた所は,清水谷といって現在でも清水がわいており,化生退治に使った弓は家宝として藤内家に残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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