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三瓶山
【さんべさん】


大田市三瓶町にある白山火山帯に属する死火山。出雲と石見の境界をなし,主峰は男三瓶1,126m。男三瓶(おさんべ)・女三瓶(めさんべ)・子三瓶・孫三瓶(907m)の4峰は角閃安山岩の鐘状溶岩塔で,円頂丘の大平山とともに環状に連なり,その中央に旧火口室の内(むろのうち)がある。南東の日影山(718m)は火山活動最初の円頂丘,周辺に森田山(574m),陣山(524m)などの花崗岩山地があり,火山の基礎をなしている。また山麓は標高500mの緩やかな高原をなして広がり,牛の放牧などにも利用されている。三瓶山頂からは大山(だいせん)・島根半島が眺望され,女三瓶にはマイクロ施設が建つ。大山隠岐国立公園に属する。古名は佐比売(さひめ)山。「風土記」に国引きのカシを立てた所として見え,さらに飯石(いいし)郡の条に「郡家の正西五十一里一百四十歩なり。石見と出雲の堺なり」と記す。子三瓶の北部の赤雁山は狭姫(さひめ)が赤雁に乗って飛んできたという伝説の山。一説にサヒメはサビ山の転化といい,山伏が入山して製鉄を伝え,砂鉄のサビからサヒメになったといい,サヒメは境目の意とする説もある。金山彦神を祀る佐比売山神社がある。別称は形見山,形三山・片見山とも書き,三峰の山の片方だけが見える山の意といい,また三瓶山は3つの瓶が天から降り,社に祀られたことにちなむともいう(八重葎)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7179303