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塩楯島
【しおたてじま】


松江市竹矢(ちくや)町にある大橋川南岸寄りの岩。少彦名命をまつる小祠がある。「風土記」に「塩楯島。蓼螺子(たでにし),水蓼(みずたで)あり」と記されている。今日この島は別に手間天神(てまのてんじん)とも呼ばれる。また対岸の地名も手間と呼ばれている。「雲陽誌」は手間と呼ばれるようになった由来を少彦名命が手の股から落ちたためと説明している。「懐橘談」「雲陽誌」ともこの地に「古関あり」として,手間関を詠んだ古歌を紹介しているが,手間関は出雲国と伯耆(ほうき)国の国境,現在の能義(のぎ)郡伯太(はくた)町大字安田関(やすだせき)にあったもので,両書の誤解である。この島の西,すなわち大橋川の上流に「風土記」の朝酌渡(あさくみのわたり),今日いう矢田の渡しがある。島の面影は8世紀の「風土記」の時代と変わらないように思える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7179318