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仙岩寺山
【せんがんじやま】


邑智(おおち)郡川本町のほぼ中央にあたる大字谷戸(たんど)にある山。標高294m。南東は江川(ごうのがわ)に面し,山頂から下った中腹に石見第九番札所臨流山仙岩寺がある。山上は広い段丘で,空濠の跡がある。谷戸側材木(ざいもく)には大正の末まで20戸ほどの集落があり,仙岩寺ももとは山上にあった。中世末,当地方を領有していた小笠原氏の支城仙岩城のあったところで,当時は飯ノ山(いいのやま)と呼ばれていた。寺伝によれば,寺は永禄2年兵火にかかって焼亡したため,山腹の現在地に再建したといわれる。小笠原氏の祈願所で,境内に勝軍地蔵を祀る愛岩社があり,25年に1度開扉する。江川に沿う峡谷は全般的に美しいが,仙石寺山上からの眺望は格別で,古来多くの詩歌にうたわれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7179705