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船通山
【せんつうざん】


仁多(にた)郡横田町と鳥取県の境にある山。標高1,142m。「風土記」に「鳥上(とりかみ)山,郡家の東南三十五里なり。伯耆と出雲との堺なり,塩味葛あり」とあり,「風土記抄」に「横田郷竹崎村と伯耆国安布礼村の堺なり。謂わゆる素戔嗚尊,志羅伎国より五十猛命を帥いて東せし埴舟此の山に止る。故に俗に船通山と曰う」とある。ここに源を発する斐伊(ひい)川が,「おろち退治」の神話を生んだ「肥河(ひのかわ)」で,この山の頂上に「天叢雲剣出顕之地」として記念碑が建立されている。山体は石英斑岩・流紋岩で形成され,山麓は花崗岩に変わる。この花崗岩に含まれる磁鉄鉱がいわゆる「砂鉄」で,古代以来近代初めまで盛んに採取された鉄穴(かんな)流しの跡が悪地形バンドランドとなって残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7179709