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空山
【そらやま】


松江市近郊の西空山と東空山。ただし地形図が「空山」と記載するのは「西空山」だけである。一般になだらかな丘陵性の山で,その山腹の高い所に住居や耕地がある場合にその部分を「空」あるいは「空山」ということがあり,忌部高原の空山神社や「風土記」の大原郡の条にみえる菟原野(うはらの)を中世曽羅(そら)山といったのもそれに由来すると思われる。①西空山。松江市東忌部町と八束(やつか)郡八雲村大字熊野の境にある標高411m(三角点)の山。第3紀層からなり,頂上付近は比較的平坦で高原状を呈している。東山腹に空山集落があって頂上にかなり近いところまで耕地化され,頂上には牧場がある。頂上からの眺望がよく,北方から東方にかけ,宍道(しんじ)湖・松江市街・中海(なかのうみ)・伯耆大山(ほうきだいせん)を望むことができる。頂上付近から旧石器時代のものとみなされる玉髄の打製石器が発見され,注目されている。②東空山。松江市西忌部町と大原郡大東町大字薦沢(こもざわ)の境にある標高約450mの山。第3紀層からなり,頂上付近は比較的平坦で高原状を呈している。東山腹薦沢(こもざわ)地内に空山という小集落がある。この山の東に方が峠があって主要地方道松江~大東~木次(きすき)線が北から南に通じ,峠からさらに東へ尾根をたどると「東空山」に達する。2つの空山の間の距離は約3km。「西空山」から尾根を西へたどると540mで南北に走る尾根に出合うが,この尾根を北へ向かうと二子山・忌部(いんべ)高原に達し,南へ向かうと城床(しろとこ)山に達する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7179742