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大満寺山
【だいまんじさん】


摩尼(まに)山ともいい,大万寺山とも書く。隠岐(おき)郡西郷町と布施(ふせ)村の境にある山。標高608m,隠岐の最高峰で日本海を航行する船の目標となった。安山岩・流紋岩・玄武岩などから成る溶岩円頂丘。南腹にあった曹洞宗大満寺は,隠岐守護代佐々木氏の国府尾(こうのお)城の鬼門の鎮護として建立された寺。「隠州視聴合紀」に「寺領十石,禅宗,家里より三十八町あり,下に地蔵堂……本堂は五十六間の坂を登って建つ,前に鐘楼あり,本尊は十一面観音,国家安泰の祭を執行す」と見える。大満寺には種々の民俗行事が伝わり,大晦日から元旦にかけて参籠する信者が多く,火の玉の来臨が信じられている。隠岐島民だけでなく,各地の帆船業者,雲伯地方の商人の信仰も集め,山腹には近世信者の寄進した石造物等が残る。現在は高燥な自然環境を生かして夏季青少年訓練場として利用されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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