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断魚渓
【だんぎょけい】


邑智(おおち)郡石見(いわみ)町井原(いばら)地内濁(にごり)川の中流にできた魚切地形の渓谷。国指定の名勝地。江川(ごうのがわ)水系県立自然公園に属している。渓谷は流紋岩の流状構造による河床を形成している。濁川支流深篠川が濁川に注ぐ地点より始まり,蛇行距離3.6km。上流と下流との比高差120m・勾配36分の1,浸食地形としてはすでに壮年期を過ぎていて,大瀑布を欠いている。井原村の素封家野田慎翁が開発に私財を投じ,中央の文豪・知名人を招いて宣伝につとめたという。大町桂月・巌谷小波(いわやさざなみ)その他の紀行文あり,小笠原白也の小説「嫁が淵」もある。山景としては断魚渓温泉・堰山・鬼面山・焚火山・獅子が岳・馬背山・観月岡・小春が岡・楯かがら・稲荷岡がある。水景としては千畳敷(流紋岩の大広場)があり,流状層理の節理に沿う幅1m・深さ6~9mの岩樋川がある。神楽淵・通仙橋・小石潭駒頭・連理ケ滝・嫁が淵・一夜橋・踊りの庭などがある。三江線因原駅より4km余。バスの便がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7180015