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知夫里島
【ちぶりじま】


島根半島の北方約44kmの海上にあり,隠岐(おき)群島島前(どうぜん)3島のうち,南端の島。面積13.63km(^2),人口1,072。中央部が細くくびれ,わずかに平地が開けているほかは,西部の赤禿(あかはげ)山(324.5m),東部の大峰山(153.5m)・高平山(149m)など急峻な山地が全島をおおっている。北部に来居(くるい)・古海(うるみ),南部には仁夫(にぶり)・郡(こおり)・多沢(たたく)・薄毛(うすげ)の集落があり,来居港から鳥取県境(さかい)港や西ノ島の浦郷(うらごう)港・別府(べつぷ)港,中ノ島の菱浦(ひしうら)港,島後(どうご)の西郷港へ通じる定期航路がある。島内には4基の石室古墳があり,開けていた島で,元弘2年隠岐配流の後醍醐天皇が着船し,宇類美(うるみ)坊と仁夫里(にぶり)坊に滞在したという伝説があり,天佐志比古(あまさしひこ)命神社には天皇の御腰掛石が残っている。半農・半漁の島であり,近世以降は赤禿山を中心に牧畑農法が行われていたが,明治以降はすたれ,現在は牛馬の放牧地となっている。島の西海岸約1kmにわたる知夫赤壁(せきへき)は,風海食の断崖であり,その美しい景観は国の名勝天然記念物に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7180054