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比婆山
【ひばやま】


能義(のぎ)郡伯太(はくた)町井尻地区の大字横屋の峠之内(たわのうち)に接する山。標高331m。山頂に比婆山社をまつり,古来安産の神として崇敬された。記紀に記された伊邪那美命の神陵であるという説があり,昭和10年門脇繁蔵がこの山で磐境(いわさか)を発見し,太古の神域として盛んな顕彰運動が行われた。東北大学山本桝蔵によれば,神籠石(こうごせき)様列石に関する判定は困難で,山の肩部に露出した岩塊の群列であって,一枚の岩が風化,数個に分裂し,別個の石が累積して石垣状をなすがごとき状態をなしていると判定した。現在,この説の妥当性と同時に自然石崇拝(石神信仰)についても考えられている。山頂近くには伝承をもつ陰陽竹(おんようちく)が群生し珍重されている。東北山麓に式内社久米神社(比婆山神社)が伊邪那美神を主祭神として鎮座する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7180939