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仏経山
【ぶっきょうざん】


簸川(ひかわ)郡斐川(ひかわ)町の大字神氷・阿宮境にある山。標高366m。「風土記」に「神名火山,(中略)伎比佐加美高日子命の社即ち此の山の嶺にあり」とあり,明らかにこの地方の「かんなび」の山であるが,中世末には仏経山と呼ばれるようになる。一説には尼子経久の命名ともいう。「風土記抄」は「俗呼んで仏経山と曰う」と記している。「雲陽誌」は「土俗経山という洞あり,高さ七尺横一間半深さ三間半,洞裡岩屋寺といいて薬師十二体あり」とし,山上に曽伎大明神・山上大明神・権現などの社があると記している。この洞窟は現存するが山上の社はなく,頂上に「南無妙法蓮華経」と刻んだ石碑が立っている。碑は松江藩が新川を開削したとき,川底になる墓等の慰霊のため建立したものと伝えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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