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布部中山
【ふべなかやま】


能義(のぎ)郡広瀬町布部の古戦場。元亀元年,尼子・毛利両軍が激突した所である。上り原(あがりはら)から登るには中山口と水谷口とがあり,中山口から折れ曲がった坂をのぼっていくと,中腹あたりに大きな松の木がある。里人のいう,大山松である。しばらく行くと右側に六地蔵があり,左側に駕籠立場(かごたてば)がある。このあたりが布部山合戦の際,尼子が本陣を置いた所であろう。この中山の尾根道は江戸期の殿様道で,菅原(すがはら)の大休(おおやすみ)という所まで出ると平地におりる。この地方の俚謡に,「畑は山中金原地獄,せめて薬研(やげん)は道路ばた」というのがある。県道沿いにある金原は当時の道筋からいえばまったく地獄の底のような所であったという意味である(広瀬町史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7181100