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坊床山
【ぼうとこやま】


能義(のぎ)郡広瀬町の南部大字東比田と伯太(はくた)町大字上十年畑境にある標高735mの山。坊床は,ホノトコ(火の床)で鈩(たたら)が営まれたことからの地名ともいう。伝説によれば,弘仁9年弘法大師が全国巡錫中,この山が霊地であることを感じ,坊を開いて「坊床山」と名づけ,真言宗の一大道場にしたのが発端といわれている。その後火災にかかって坊舎は焼失し,文明年間尼子経久が新たに堂宇を建てたが,永禄年間兵火にかかって再び焼失し,長い間荒れたままになっていた。文政元年広瀬の覚道法師が堂宇を再興したが,同9年大洪水の被害でまたまた荒廃に帰した。慶応年間大森式部丈兵衛が復興に乗り出し,広瀬藩も馬乗馬場を設けて,一時は繁栄したが次第に衰えた。第2次大戦終戦後,隠岐出身の嘉見伊勢太郎を団長とする開拓団が入山し,苦闘10年の後現在の坊床開拓村を再現した。坊床の七不思議に,1.御符の池(姿見の池)2.底無しの池3.音無川4.四季咲のカキツバタ5.オオカミツツジ6.大師道7.串剌(くしさし)の魚(串に剌された魚を大師が川に放ち,その魚には今も串剌のあとが残る)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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