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本宮山
【ほんぐうさん】


松江市の西部,上大野(かみおおの)町の中央東部にある山。標高279.7m。足高野山(あしたかのやま)とも呼ぶ。東の大垣(おおがき)町の境界である。「風土記」には女心高野(めごころたかの)とあり,秋鹿(あいか)郡の条に,「女心高野。郡家の正西一十里二十歩なり。高さ一百八十丈。周(めぐ)り六里あり。土体(つち)豊かに沃(こ)えて,百姓(たみ)の膏腴(うるお)いの園(その)なり。樹林(はやし)なし。但(ただ),上頭(みね)に樹林あり。此(こ)は則ち神の社(やしろ)なり」とある。野は草地の多い山の意で,地味豊かで畑地が多かった。社は,同書所載の式内社,内(うち)(宇智とも書く)神社で,大野の開拓神,和加布都努志命(わかふつぬしのみこと)を祀る。合祀の下照姫命(したてるひめのみこと)を高野宮といい,社名および山の名にもなった。鎌倉初期,紀季康(きのすえやす)が地頭となり大野氏を称し,この山に城を築く,爾来,天正10年まで,大野氏27代の居城となった。社殿は,南麓の大垣町上寄(かみより)に移された。その後,山名が,本宮山と称されるようになった。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7181171