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三笠山
【みかさやま】


能義(のぎ)郡広瀬町広瀬の市街を中に隔てて月山(がつさん)と向かいあっている西方山塊の一峰で,高さ228mで,奈良県の三笠山を思わせる山容である。山中鹿介が「願わくば我に七難八苦を与え給え」と祈念した三日月は,この山にかかる上弦の月であったと伝え,今日なお広瀬町における新月の名所として賞せられている。古老による三日月信仰(豆腐を供えて祈念する)が続くにふさわしい神秘な感じを与える山である。「三笠山月山かけてほととぎす」と中津仏大が詠んでいるようにホトトギスの生息地でもある。尼子氏の盛時には月山をとりまく周辺の支城の1つとして,尼子十砦(さい)に数えられ,西村治右衛門が守備した。三笠山の名は山が3つに重なって見えることによる。頂上に本三笠,右寄り八合目あたりに中三笠,左下方に下三笠と3つの笠状の山がひとまとまりになってさらに1つの大きい笠状の山となる三重山,東麓に勝日山(八幡山),祖父谷へ傾斜して妙見山,その麓に加羅久利社がある。八幡山から宮尾にかけての丘陵地は毛利元就の陣地の史跡。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7181368