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三坂峠
【みさかとうげ】


邑智(おおち)郡瑞穂(みずほ)町大字市木と広島県山県(やまがた)郡大朝町の境界にある峠。標高555m。古来,駕籠かき唄に「可部じゃかべ坂,市木じゃ三坂,越木(こしき)赤谷なけりゃよい」と歌われた。江戸期は浜田藩主の参勤交代の通路であり,難所といわれた。旧道には約3kmの石畳が続くが,これは,峠道が雨のたびに流され,藩主通行のたび修理を要したため,小武家(こぶけ)集落の人々が石を敷いて流失を防いだものである。頂上付近にお蓮(れん)勘兵衛悲恋の墓が現存。明治22年県道広島~浜田線の開通によって,この峠も人力車・荷車・馬車の往来が繁くなり,頂に茶店・旅館など5軒が立ち並んだ。大正6年広島・浜田間乗合自動車が開通,次第に茶屋等も閉鎖した。昭和9年国鉄バスが開通,現在は主要地方道浜田~八重~可部(かべ)線の通過に伴い改修され,標高500m地点に防雪トンネルが造られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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