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八頭坂
【やとうざか】


大原郡木次(きすき)町大字寺領(じりよう)の真金から同郡大東町大字下久野の樋谷(または檜谷)を経て仁多(にた)郡仁多町大字佐白(さじろ)に入り,さらに標高350mの分水嶺を越えて大字佐白の上布施(うえふせ)に至る峠道上にある坂。「雲陽誌」大原郡寺領村の条は「八頭坂,長さ二十五町,古え八岐大蛇この谷にすみけるゆえに坂の名とす,左右は皆山なり,豁に流川あり,巨岩聳(そびえ)雑樹旧りて尋常の山にあらず,太(はなは)だ行路難なり」と記し,仁多郡上布施の条は「八頭坂,八岐大蛇此辺にすみたるゆえ古今坂の名とす,長さ五町左右松杉参差として九折(つづらおり)なり」と記している。なお,八頭という地名は,今日は仁多郡仁多町大字佐白のなかの小字名となっているが,古くは,大原郡木次町・大東町・仁多郡仁多町の境界付近一帯の山地に対する呼称であったようである。この地には八岐大蛇伝説にちなむ地名(八重垣大明神・長者屋敷・大蛇池など)が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7181692