100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

嫁ケ島
【よめがしま】


宍道(しんじ)湖の東端にあるこの湖ただ1つの島。松江市嫁島(よめしま)町の200m余り沖合に浮かぶ。東西に長い約200mの平らで低い島,島の中央に弁天の小祠があり,東端に鳥居があり,数本の松が生えている。第3紀中新世の火山活動によって噴出した玄武岩の浸食残塊で,南方の円城寺山・床几山・茶臼山などと成因は同じである。「風土記」に「野代の海の中に蚊島(かしま)あり,周り六十歩あり,中央は涅土(くろつち)にして四方は並礒なり。中央に手掬(たづか)ばかりの木一株あるのみ。其の礒に螺子(にし),海松(みる)あり」と記されている。「雲陽誌」には「婦島」と記されているが,明治12年の「島根県一覧概表」には再び「蚊島」と記されている。弁天祠にちなんで弁天島と呼ばれることもあったようである。今日は安来節にも嫁ケ島と歌われて名称は固定しているが,いつごろから固定したかははっきりしない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7181883