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和久羅山
【わくらさん】


松江市街地の東方,大橋川下流の北岸にあり,北西は上東川津(ひがしかわつ),南西は西尾(にしお),東は朝酌(あさくみ)各町と境界をなす山。古くは女岳(めだけ)山と称す。標高262m。「風土記」島根郡の条に,「女岳山。郡家の正南二百三十歩なり」とあって,奈良期の郡家は,この山の北方,下東川津(しもひがしかわつ)町納佐(のうさ)付近と推定され,その南方近くまで裾を引いていた。嵩山(だけさん)の南に連なり,山容がなだらかで女岳の名が付けられた。戦国期には尼子氏の部将,原田五郎兵衛の居城があった。のち,永禄12年羽倉(はくら)孫兵衛が領し,山の名となった。一の床・二の床・三の床の跡がある。山頂からは大山(だいせん)・中海(なかのうみ)・宍道(しんじ)湖をはじめ簸川(ひわか)平野・中国連山の眺望が開ける,宍道湖北山県立公園の範囲になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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