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井倉上の穴
【いくらうえのあな】


舞谷の穴ともいう。新見市草間字草西のドリーネの底に開口する吸込穴(石灰洞)。井倉洞と連鎖しており,井倉上の穴を流れた水が井倉洞に流出している。総延長は280m。洞口は約3.5mの縦穴であり,開口部から約8mは泥で埋まり,傾斜は緩やかでザイルなどの装備がなくとも下りることができる。縦穴を下降すると洞底に至る。洞床より左手には落盤があるが,約10m進める。右手は大きな落石があるが,横穴が発達している。約40m前進すると右側に支洞があり,水が湧出している。主洞をさらに15mばかり進むと1.8mの小さな滝がある。この滝を下りて80m,大きな滝となる。滝の高さは13m。この滝を下降すると横穴となり25m×15mのホールに至る。ホールの天井の高さは約20m,二次生成物の発達はよく,つらら石・石筍・リムストーン・フローストーン・カーテンなどが目立つ。特にホールには幅25m,高さ10m,長さ15~20mに及ぶフローストーンがある。降雨時には,洞口付近のドリーネに発達する小さな谷の水が縦穴を通して流入するが,平常は洞床付近の横穴から湧出している。ホール付近では淵となり,末端部は水没している。末端部の水深は約2m。洞床は洞口の下は土で,他の部分はほとんど礫である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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