100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

宇山洞
【うやまどう】


新見市豊永宇山字矢中にある裂罅(れつか)型の吸込穴で県内有数の規模。洞口は20m×20m。総延長は1,050m,高低差は105m。降雨時には周辺の谷川や田の水が流入する。裂罅は西南西の方向に延びる。洞口から約220m進むと落盤による巨大な落石があり,その地点から45°の勾配で約40m下る。この斜面を下ると洞幅は狭くなり,水流が現れる。さらに約300m進むと第1の水潜りに至る。さらに約150m進むと第2の水潜りがある。水深は約80m。第1の水潜りと第2の水潜りの間には砂上に形成されたフローストーン・カーテン・つらら石などの二次生成物が見られる。第2の水潜りから約200m進むと,人がやっと通れる程度の穴があいている。この地点を突破するとしばらくして最終末端の水没地点となる。洞口から近い場所は別として滝や水のため前進が困難な場所が多いので,初心者の入洞には適さない。昭和42年夏,愛媛大学学術探険部の学生により,洞内よりナウマン像の歯の化石が発見された。昭和32年阿哲台の一部として県天然記念物に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7182430