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王子ケ岳
【おうじがたけ】


児島半島の南岸,倉敷市と玉野市の境界にまたがる山塊で,瀬戸内海国立公園の一角をなす。山名の由来は,その昔,百済国の王女が唐琴の浦に流れついて,やがて一人の王子を生んだ。その王子にちなんで王子が岳と名付けられたとある(児島風土記)。また,王子権現をまつる山の名からつけられたともいう。付近一帯は風化の著しい花崗岩の方状節理の巨岩・奇岩が累積し,典型的なバッドランド地形を示している。主峰の新割山付近から東方の矢出山への尾根筋は平坦で,桜の名所であり,奇岩も多く,備讃瀬戸から屋島・五色台,本四連絡橋児島―坂出ルートの眺望に散策にと観光要素も十分であり,年間約20万人が訪れるという。巨岩・奇岩群の中には,王子ケ岳南麓の海岸にある国民宿舎王子が岳が巨岩の上に建っているのをはじめ,東峰の巨岩に山伏の横顔に見える山伏岩(にこにこ岩ともいう),修験洞窟で行者場とされている山伏窟などがある。この洞窟内には不動明王が刻まれており,ふもとの県道そばには石門と不動明王開山20年記念のときの採灯大護摩供養の石碑がある。また山頂には冷泉(清峰温泉)があり,倉敷市はレストハウス,玉野市はパークセンターをそれぞれ管理し,駐車場もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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