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大飯盆地
【おおいぼんち】


吉備高原にある小盆地。阿哲郡哲多町の北西部から同郡哲西町南西部の一部に及ぶ。北東から南西に約6km,幅約1km。周囲から保窪川・新田川・平忠川・大山川・大野川などの小河川が流入し,高梁(たかはし)川の支流本郷川となって,盆地の東端から南へ向かって流れる。盆地の低部は,新生代第三紀中新世のころ海底に沈降し,その後隆起したため,当時の地層中よりビカリアなどの化石が出土する。周囲は標高560m内外の花崗岩・石英斑岩からなる高原性山地で,北西に荒戸山,南西に明神山の玄武岩鐘がひときわ高く見える。古代,盆地の底部は川が蛇行し湿原であったようで,水田開発は周辺部から進み,完了したのは明治中期である。しかしその後も梅雨,台風時には川が氾濫し,盆地がたびたび湖沼状になった。昭和50年代に河川改修工事が行われ,現在は哲多町の穀倉地帯となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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