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岡山
【おかやま】


岡山市丸の内2丁目の烏城公園内の丘。ここに城が築かれ,以後城下町全体が岡山と呼ばれることになる。現在の岡山市の中心部は,かつて岡山・石山・天神山が島として並んでいた。周囲が陸地となると,中央の石山は中世以来城砦として用いられていたが,宇喜多秀家が居城を拡張するにあたり,豊臣秀吉の指示で,東隣のこの丘を利用して本丸を築城した。丘は花崗岩の岩塊を核としていたが,斜面を石垣で包みかつ川砂で盛土したため,地山の露出した所は今はない。地山は最も高いところで,19mほどあった。頂部のなだらかな丘ではなかったので,最も高い東北端にさらに盛土して22m余とし,ここを天守台とした。ほかは,19m余りの本段,15mの中の段,現在テニスコートのある下段の,3つの段に整地。不等辺五角形の天守台には,三層六重の天守閣が築かれ,慶長2年完成した。天守閣前面の本段は城主の私邸であり,西側の中の段は表書院,すなわち公邸であった。明治2年の版籍奉還により陸軍省の管轄となり,同15年には城門・楼櫓などが破却されたが,同23年には旧城主池田家に払い下げられた。同29年には岡山中学が本丸跡に校舎を新築して移転してきた。昭和6年には天守閣が国宝に指定され,同8年には月見櫓も国宝となったが,同20年6月29日の岡山空襲で天守閣と校舎は全焼した。同28年岡山朝日高校(岡山中学の後身)が国富に移転した跡は,岡山市の復興事業によって烏城公園となった。同41年,鉄筋コンクリートで天守閣などが再建され,天守閣は常設の郷土博物館となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7182661