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邑久丘陵地
【おくきゅうりょうち】


邑久郡邑久町虫明から岡山市神崎町にかけて広がる丘陵。現邑久郡邑久町・牛窓町・長船町と岡山市・備前市へ合併した旧邑久郡域内にあたる。北東部は大平山・玉葛山・四辻山など標高200~270mを有し,備前市と邑久町との境界をなす。中央部はやや低く70~100m,南西部はやや高く100~150mとなりそれぞれ邑久町と牛窓町・岡山市との境界となっている。この丘陵は備前市鶴海から長船町西須恵へ続く断層と邑久町虫明から本庄へ続く断層とによって分断されており,一般に北側が急で,南側が緩やかな傾動地塊をなす。北東部は石英安山岩質岩や流紋岩質岩など中生代の火山性岩石,虫明・福谷付近には古生代泥岩質と砂質岩の互層,中央部は石英斑岩,南西部は中生代白亜紀の花崗岩類からなる。北東端の大平山中腹には昭和54年4月岡山県勤労者いこいの村が開設され,眼下に日生(ひなせ)諸島や特産のカキを養殖するカキ棚が一望される。この丘陵上には邑久町虫明字黒井の大師堂,邑久町本庄字横尾の静円寺,邑久町豊原字大が島の大賀島寺など多くの寺院がある。静円寺の本堂・多宝塔は県重文。丘陵の多くは赤松をはじめとする松の雑木林であるが,平坦面には畑・果樹園(ブドウが多い)が開かれ集落が見られる。またこの丘陵の谷あいをぬうように東備西播開発有料道路(ブルーハイウエー)が備前市鶴海から邑久町本庄に通じ,途中虫明にはインターチェンジが,黒井山と一本松にはパーキングエリアがあり,遊技施設も整備され地元の農協・漁協と協力した観光開発も進められている。春には沿線で野生のツツジが美しい。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7182693