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鬼ケ岳
【おにがだけ】


小田川の支流美山川の上流。小田郡美星町と矢掛町の境界にある渓谷。全長約4km。輝緑岩の地盤が美山川に浸食されて美しい渓谷をなし,花崗岩の方状節理の重箱石も存在し,山の斜面は青松が茂り,渓谷の秋は紅葉が美しく,昭和5年に国名勝に指定された。ラジウムを含む鉱泉がわき,河岸段丘上には数軒の温泉旅館があり,近隣はもとより阪神地方からも入浴客が訪れている。この温泉は吉備津彦命が温羅(うら)(鬼)を退治したとき,傷ついた鬼が傷をいやしたとの伝承からこの地名由来となった。またこの鬼嶽のある美山川沿いの道はかつて「トト道」と呼ばれ,伯備線開通までは玉島・笠岡方面より成羽・備中町あたりの県中北部へ魚を運ぶ行商人の通った険しい山道であった。現在は主要地方道倉敷成羽線として2車線の道路に造成されている。渓谷下流には灌漑用の鬼が岳ダムが設置され,矢掛町美川・三成の水田360haを潤している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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