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恩原
【おんばら】


苫田郡上斎原村の北東部に広がる浅い盆地。標高700~800m。人形峠から赤和瀬にかけて発達した高清水高原と同一の地形面をなす。吉井川源流の三国山の南部に広がり,周辺の標高800m以上にある小起伏面を含めて恩原高原ともいう。盆地部は主に中生代後期の花崗岩類の基盤岩上を新第三紀の湖成堆積物である人形峠層が覆い,最下部の礫岩・砂岩層中には燐灰ウランを含む。800m以上の高原面は花崗岩類の基盤上を鮮新世火山岩類(安山岩および同質砕屑岩類)が不整合に,また一部では人形峠層を整合的に覆っている。この高原面は一種の溶岩台地で浸食に取り残されたものといわれる。一帯は広大な放牧地で,明治期以来輪換放牧による牧牛が盛ん。昭和27年には農林省管理牧野に指定されるとともに,村営恩原牧場の草地更新および牧道などの整備など牧野改良事業が進み畜産振興が進められている。昭和3年恩原川に出力2,900kwのダムが建設され,人造湖の恩原湖が完成した。同47年国民観光レクリエーション基地に指定され,青少年旅行村としてキャンプ場・スキー場が整備された。人形峠・高清水高原・湯原奥津県立自然公園などを含め一帯は自然を活用した観光開発が進められている。石越から東へ,平作原―小林―恩原―宮ケ谷を経て,辰巳峠から鳥取県佐治村へ抜ける道路はかつての因幡往来である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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