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貝殻山
【かいがらやま】


児島半島の北東部,岡山市と玉野市との境にある山。標高288.6m。金甲山の東に位置する。花崗岩からなり,東西に尾根が続き,南側と北側は緩やかに傾斜を広げる。山頂は平坦で,その東部の標高284mのところに弥生中期の貝塚があり,現在も一部に貝殻が露出してこれが山名の由来となった。山頂には同じ弥生中期の高地性集落跡が1号から6号までの6棟報告されている。遺構は,周溝・炉・柱穴などがあり,遺物は,壺形土器・製塩土器・高坏形土器などの土器や,石鏃・石槍・石包丁などの石器,鉄鏃などの鉄器が確認されている。中世に城が築造され,貝柄山城(備陽国誌)とも,貝哥(かいが)城(東備郡村誌)とも,貝がら山城(吉備温故秘録)とも呼ばれた。延元元年には,児島備後三郎高徳らがここに陣取り,足利氏の東上を押さえんとした。その後,児島半島東端を支配する高畠一族の高畠遠江守が城主となった。現在は,展望台・遊歩道・ハイキングコースなどが整備され,北に岡山平野から旭東地域の干拓地が,南には瀬戸内海の多島美が眺められる。岡山市小串からと,飽浦(あくら)から尾根伝いに金甲山まで自動車道路が通る。西の金甲山・東光寺山と,東の八丈岩山とともに瀬戸内海国立公園に属する。小串には国民宿舎桃太郎荘がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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