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勘三郎穴
【かんざぶろうあな】


勘三郎洞ともいう。和気郡日生(ひなせ)町の大多府島南岸にある洞窟。島の南岸一帯にはもろい石英粗面岩の断崖がそびえるため,海からの海食作用によって造られた海食洞の1つ。洞口の両側は幅3m,高さ20mの絶壁をなし,洞内の高さは約5m,奥行きは70mに達する。洞窟名の由来は,昔勘三郎という者がこの洞中で偽金づくりをしていたとの伝説(東備郡村誌)や,備前国で偽金をつくっている一味が判明して勘三郎ら7人がはりつけの刑に処せられた(池田家履歴略記)との記載により,その首謀者の名前がつけられたことがうかがえる。しかし,この洞窟も昭和51年秋の台風襲来により天井が崩れ落ち,内部に立ち入ることはできない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7183290