100辞書・辞典一括検索

JLogos

5

神南備山
【かんなべさん】


「かんなびさん」ともいう。津山市井ノ口・一方の南にある山。標高356.2m。地質は中生代末の角礫質流紋岩よりなる。津山盆地の南に接する中起伏な久米高原山地の北端にあって,東に続く石山とともに1つの山塊を構成する。北斜面は急峻で津山盆地に落ち込み,吉井川およびその氾濫原が山麓に接している。南は荒神川と種川の谷で画されている。この南の谷筋は久米の佐良山越えと称された古官道の跡である。山頂の西には傾斜の緩やかな部分があって,一方上の集落と畑や果樹園が開けている。山頂の北側,標高約240mの尾根の上はかなりな広がりを持つ高台となり,西麓の皿から登る自動車道の終点として駐車場や展望台がある。北の井ノ口からもいろは坂状の急坂を自動車で登れる。山頂からの眺望は絶佳で,眼下に鶴山城跡を中央にした津山市街地の全貌が開け,北東には雄大な那岐山を盟主とする那岐連峰,北西に泉山の山塊が迫り,東には東作地方の低い第三紀丘陵群が遠望できる。この山は神並山とも呼ばれ,「久米郡誌」には,上古祭壇を設けて,神祇を祀った所であると記されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7183300