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鬼ノ城山
【きのじょうやま】


「きじょうざん」ともいう。総社市奥坂にある山。標高397m。吉備高原南端部の一画に当たる。地質は花崗岩からなる。頂上部には平坦面を残し,マツ・カシなどの樹木が茂り,花崗岩の岩肌が露出している。東および南の斜面は急で天然の要害をなすが,そのほかは緩やかにほかの山地に続いている。朝鮮半島から渡来した鬼神(温羅(うら))がここに立てこもって住民を苦しめ,大和朝廷から派遣された吉備津彦命に討たれたという伝説の地で,付近に鬼ノ釜・岩屋がある。また,周辺一帯は平安期に山上仏教が栄え,新山寺跡はじめ,三十六坊があったという。山頂を鉢巻状に巡らす石塁は,朝鮮半島や九州北部に多い山城と関連が深いとして研究が進められている。当山は総社平野の背後に当たり,山頂からの眺望に優れ,平野の古墳群,県南の諸都市や山地,瀬戸内海など広く視界が開けている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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