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京山
【きょうやま】


岡山市街地の北西部に位置する山塊の東北部を占める山。標高82.2m。東西約0.9km,南北約1.2km。東側からは伏鉢状に見える。この山塊は,かつては吉備の穴海に浮かぶ小島であり,西隣の矢坂山山塊とともに,岩井島と呼ばれていた。一帯は花崗岩からなり,地続きの北隣には採石場があったが,現在は岡山商科大学の運動場となっている。南東麓にある尾針神社には磐座とみられる巨石も残されている。この山塊は津島遺跡にも近く,岡山の平野部との関係から,古墳時代前期半の前方後方墳である津倉古墳をはじめとする古墳が立地し,現代の墓も丘陵面を埋めている。京山は第2次大戦前から公園として知られていた。戦時中は山頂の古墳を崩したあとに岡山最大の監視哨がたち,地下を掘り下げて対空防備まで施されていた。戦後は,円筒形鉄筋コンクリート4階建で3階の床が廻転式となった展望台などさまざまな施設が建築され,それに至る傾斜距離170mのロープウエーがつくられ,現在頂上一帯は京山ロープウエー遊園という眺望を誇る遊園地となっている。南麓には県営の種畜場があったが,昭和24年移転したあとは,備前藩主の子孫池田家が譲り受けて牧場を開き,山腹にまでひろげて,同28年池田動物園とした。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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