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金甲山
【きんこうざん】


児島半島の北東部にある山。標高403.4m。光南台の主峰で,児島半島で最も高い。貝殻山の西にあって,岡山市と玉野市との境に位置する。ほとんどが古生層でホルンフェルス化した砂岩・粘板岩からなり,周囲は花崗岩である。尾根が東西と北に続き,南斜面は急峻である。古くは甲の峯・金神山とも呼ばれた。山名は由加山(倉敷市児島由加)の鬼退治に来た坂上田村麻呂が,山頂付近に金の甲を埋めた(玉野の地名と由来)とか,ふもとにあった円通寺の竜王さまに戦勝の御礼として金の甲を奉納した(東児町史)ことから名付けられたといわれている。山頂付近に小さな祠が残っていて,レストハウスの裏に破壊されているが原始信仰である環状石とその東20mに拝み石が残っていた(玉野市史)。大正4年発行の「金甲山大師御山眺望図」によると,金甲山へのルートは,岡山からは三蟠から飽浦(あくら),九蟠から小串へ船で渡り,郡や山田から登るものと,JR宇野線八浜駅から八浜の集落を通り,波知から登る道の説明がある。金甲山は奇岩怪石に富み,山容の美しさや展望の雄大さなどその景観はまさに天下の絶景(昭和34年版山陽年鑑)といえるように,山頂からの展望は四周に開け,南側は,小豆島・豊島・石島・直島諸島をはじめ遠く屋島など四国の山々まで見え,北側は西から児島湾干拓地・岡山市街をはじめ吉備高原まで眺望できる。岡山市小串から光南台の山々を抜けて走る自動車道路があり,八丈岩山・畑山峠・貝殻山を通って温泉(ラジウム泉)が湧く金甲山温泉へ至る。北から岡山市飽浦からの道と,東からの上山坂からの道とが合流して,東光寺山をかすめる葛折りの自動車道路がある。山頂にはNHK・山陽放送・西日本放送・テレビ岡山・テレビせとうちなどの中継所や金甲山レストハウスがある。瀬戸内海国立公園に属し,ハイキングコースやJR岡山駅からのバス便もある。毎年1月頃,金甲山および周辺地区で金甲山駅伝が行われている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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