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熊山
【くまやま】


赤磐郡熊山町・同郡瀬戸町,備前市の境界にある山。標高509m。山体の大部分は流紋岩からなり,西を流れる吉井川に向けて急斜面をなす部分には古生層が見られる。中腹の急傾斜に比し,頂部は緩傾斜をなす。その頂部には宗教と関連の深い史跡が多いところで,熊山神社,特殊な石積み遺構で知られる熊山遺跡(国史跡),帝釈山霊山寺という山上伽藍の跡やその境内には「正応五年七月十日 顕空」銘の宝篋印塔などがある。また,児島高徳が建武3年ここで兵を挙げたと「太平記」に記されている。山陽道は,古代には吉井川を挟んで北側を,中世以降には南麓を通る交通上の要地に位置した。山腹には鎌倉期の備前焼窯跡がある。近年南麓の備前香登からと,北麓の熊山町奥吉原からの登山道が自動車道として整備された。山頂一帯は郷土自然保護地域となっている。南麓の備前市大内には福生寺があり,国重要文化財の大滝山三重塔がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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