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ごんぼうぞねの穴
【ごんぼうぞねのあな】


新見市草間字岩中にある日本屈指の鍾乳洞(石灰洞)。入洞の難しさと構造の複雑さ,支洞の数,豊富な水,巨大なホールと滝,二次生成物のすばらしさで洞窟探険家を魅了している。総延長3,060mで全国で第9位の長さを誇り,高低差は60mに達する。岩中の谷底から約15mの高さの山腹に開口。洞口は1.5m×3mと小さい。洞口を下りると-38mの竪穴があり,竪穴には無数の支洞が5段階の高度を保ちながら展開する。昔石鍾乳(ストロー)を採取していた業者が地元にいて,漢方薬の原材料として京都や大阪で販売,巨大な利益をあげていた。-21mの場所の洞壁には,松明のすすで汚れているが,「弘化三年正月十五日,吉備津宮奉献,岩中村中」と祈願した彫り込みがある。洞窟内部に記された遺物としては県内では最も古い。江戸末期,採取業者が洞内で転落死傷,以後恐怖の洞窟として洞口は閉鎖され現在に至る。地元でも忘れさられていたが,昭和47年岡山洞穴研究会の柴田晃らによって再発見された。調査のたびに規模が大きなものであることが判明,注目をあびている。昭和59年九州大学探険部・岡山大学ケイビングクラブが合同で,ごんぼうぞねの穴の東方約200mに開口する流出型の横穴である本小屋の穴の奥深くを調査中,ごんぼうぞねの穴との連結部の新洞420mを発見,本小屋の穴とごんぼうぞねの穴とは一体化した同じ洞窟であることが判明,興味をもたれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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