100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

四十曲峠
【しじゅうまがりとうげ】


真庭郡新庄村と鳥取県日野町との県境にある峠。標高770m。峠下を国道181号四十曲トンネルが通る。かつては出雲往来の峠であった。古くは後鳥羽上皇,後醍醐天皇が隠岐島に配流された時に通過したという伝説や石碑,和歌が残る。この峠が本格的に利用されたのは江戸初期,山陰諸大名の参勤交代路となってからである。津山藩が慶長9年から出雲往来の整備を行うようになり,この街道は別名伯州往還と呼ばれ,伯州諸大名も出費を行っている。津山盆地~真庭盆地間は平坦な道であるが,高田駅(現勝山町)から美甘(みかも)―新庄―板井駅(現在の日野町)までの中国山地を横断する道は悪く,特に脊梁部にあたる標高1,200mを通る時には難渋を極めたという。山陰側の板井村峠根からの峠道は比高差430mあり,つづら折りの道で,峠名はこれに由来する。峠を挟んで板井と新庄は宿場であった。新庄には本陣1,脇本陣3,伝馬立場,立場茶屋があり,因州藩によって整備されていた。峠は現在の四十曲トンネルの北1kmの山中に残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7184120