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十禅寺山
【じゅうぜんじやま】


児島半島の東部,玉野市田井十禅寺にある小起伏山地。標高236.5m。金甲山の南に位置し,ほとんどが古生層で,ホルンフェルス化した砂岩・粘板岩からなり,周囲の斜面は比較的急で,山頂は南北に平坦地が続く。北端は金剛峰といい,その南に不老峰がある。山名の十禅寺は,天台宗の守護神十禅師権現である十禅師が転訛したとされ,平安期に天台宗の寺院があったといわれている。現在,金剛峰を北東部に下ったところに日吉神社がある。同社は貞享4年創建で,祭神は大山咋命,近江(滋賀県)の日吉神社を分霊したもので,十禅寺の鎮守として祀られたものである(児島郡誌)。十禅寺集落は日吉神社への途中にあり,以前は人が住んでいたが今は無住となっている。野々浜港から中腹まで自動車道が通り,桜や松に囲まれた登山道が整備され,頂上の金剛峰には休憩所やトイレがあるが廃屋同然となっている。瀬戸内海国立公園に属し,直島諸島を眺める絶好の展望地である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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