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諏訪洞
【すわどう】


上房郡北房町下呰部の山腹に開口する鍾乳洞(石灰洞)。総延長約900m。昔,観光開発計画が立案され駐車場や橋が完成したが,推進者の急死により断念した。洞口は3m×4.5m,激しい勢いで水が流れる吐出穴であり,古くから地元の人は秘坂鐘乳穴(ひめさかかなちあな)と連鎖していると信じ,言い伝えられているが,明らかではない。断層に沿って形成された洞窟は,N50°Wの方向で緩やかにカーブを描いて延び,洞の途中からは蛇行を繰り返しつつ最奥部ではN40°Wの方向となり,水没,前進不可能となる。洞口付近と洞口から約400mの地点にあるホールに土砂の堆積があるほかは,ケイブダム・リムストーンプールの繰返しである。洞口から約40m中に入ると,比高2mの小さな滝がある。この滝から奥に入洞するにはゴムボートか浮輪が入用となる。水深0.2~2mのケイブダムとリムストーンプールが激しい水の動きとともに入洞者を寄せつけまいとする。洞口から約400mのホールに到着すると大きな落石とフローストーン・鍾乳管・石筍が発達しているのに驚く。このホールを通過するとまもなく,洞窟は二重構造となり,上層部は約70m続く。さらに約150mばかり前進すると再び上下2層となり,下層部は水没している。上層の支洞に潜りこむといつのまにか主洞に戻っているのに気付く。主洞をしばらく進むと,最末端の滝が現れる。流速は穏やかであり,最奥部の鍾乳管・つらら石・カーテン・石筍の発達はすばらしい。阿哲台の一部として県天然記念物に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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