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大ケ山
【だいがせん】


苫田郡阿波村と同郡加茂町との境にある山。標高990m。中生代後期の花崗岩類の基盤岩上に新第三紀鮮新世の玄武岩類が流出して形成された溶岩台地で,山頂部一帯は起伏の極めて小さい高原をなす。東の阿波川,西の倉見川の間にあり,浸食に取り残されてメサ状を呈す。黒岩高原と同一の地形面をなす。山頂部に近い花崗岩類の露頭には方状節理の発達した巨石が散在,三ツ岩・鬼の門・樽岩などの名称がある。花崗岩が風化した真砂土から鉄穴流しにより砂鉄採取,木炭によりたたら製鉄を行う。阿波川谷底平野から中腹にかけて広大な山麓面が広がるが,南東麓の標高600~700mの緩斜面は鉄穴跡地。第2次大戦後スキー場として利用されていたが,近年雪不足と施設設備の立遅れのため利用客が少ない。大高下ふるさと村,黒岩高原に次ぐ観光拠点として村営大ケ山牧場の観光牧場化,スキー場の整備なども計画されている。中腹の標高700m近くをとりまく大幹線村道美作北線が昭和43年に完成,木材搬出,人工林の撫育管理などに利用されている。別名を台ケ山ともいうが,山頂平坦面に起因するものとも考えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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